BOOKS FROM TREEHOUSEBOY'S ROOM | ABYSS 〜 アビス 〜

BOOKS FROM TREEHOUSEBOY’S ROOM

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みなさんこんにちは。マコと申します。
1995年生まれの23歳。エディター見習い兼、ミュージシャンとして活動しています。

どこかでお話したような気もするのですが、私の父は中学・高校の国語教諭です。その影響か、小さなころからとにかく本を読んで過ごしてきました。最初は絵本、それから児童文学、ファンタジー小説、そしてミステリー、エンタメ系を経由して、いわゆる純文学作品へ……。以前お話した音楽の趣味趣向と同じように傾倒した本のジャンルも移り変わり激しいものでしたが、最終的には雑食に落ち着いて、現在です。読みたいものを読む(当然といえば当然のムーブ)。

大学時代は、「批評・創作実践ゼミ」というゼミに所属し、小説を読んであーだこーだというだけでなく、実際に自分で書くということもやっていました。実は、小学生のころから「小説家になりたい」などと宣っていた私は、「12歳の文学賞」という子供向けの賞に応募したこともあります(無念、2次選考で落ちました)。今でもちら、ちらと執筆をしていますが、まあまあヘッポコなのでもっと頑張りたいところです。

兎にも角にもぼんやりと、「本が好き」「小説が好き」と言い続けて23年。「本好き」キャラを貫くにしては少ない知識と読書量ではありますが、今日は自分の本棚の一部をチラ見せ&好きな作家や作品について書き散らして「自己紹介」としたいと思います。ちょっぴり恥ずかしいですが、いってみましょう。
※有名な誰かも「自分の本棚を人に見せるのは、恥部を露出するのと同じことだ」と書いていたような気がします。

本邦初公開! これがマコの本棚(の一部)だ

まずはこちらの一角。ぱっと目に入るのは安部公房の名前あたりでしょうか。後述しますが、私は大学時代に安部公房にどっぷりハマったことがあり、そのため書籍も大量に所有しています。その下の『曇天記(著:堀江敏幸)』、『レモン畑の吸血鬼(著:カレン・ラッセル/訳:松田青子)』あたりは積読中のやつらです。ちょびりちょびりと読んでいます。

手前には、三島由紀夫島崎藤村萩原朔太郎宮沢賢治三好十郎ゲーテカポーティサン・テグジュペリなど……割と「定番」がズラリ、という感じです。手塚治虫の文庫本もありますね(初期作の『ロスト・ワールド』がめちゃめちゃ好きです)。そのほか、ピンぼけしていますが谷崎潤一郎川端康成寺山修司なども嗜む程度に揃っております。谷崎は一時期ハマりました、『』や『猫と庄三と二人のおんな』などがフェイバリット。実はすごく読みやすい文体ですよね。好き。

続いてこちらの一角を見てみましょう。謎のクマちゃんが描かれた缶がありますが、これは「ミッフィーちゃん」などのキャラクターでお馴染みのディック・ブルーナによる「ブラック・ベアー」というキャラクターです。「本が大好きで、毎晩眠らずに読書しているから目が真っ赤になっている」という、素敵に可愛らしい設定も。本棚にぴったりだなと思ってね、置いています。

本の方を見ると、またまた安部公房が目に付きますが、同時にお気づきでしょうか、大江健三郎もかなり多いです。氏もまたお気に入りの作家のひとり……、最近全著作をまとめた全集シリーズがスタートして話題ですよね。そのほか志賀直哉坂口安吾といった文豪たちに加えて、村上春樹もちょこちょこと。

村上春樹、初期の短編集なんかは割と読みます。ときたま「ウザい」感じに揶揄される言葉の使い方も、なんとなくfeelする部分があったりして……『パン屋再襲撃』とか面白かったです(ただ、「これはメタファーだ」とかって言いすぎちゃうん、とは思います。隠喩は隠喩であってほしい)。

また、カフカアップダイクドストエフスキーもぞんざいな感じで揃っています。カフカも大好きな作家です、父親の書棚で見つけた「知的常識シリーズ」という伝記シリーズのカフカの巻を読んでから、その不思議な魅力に取りつかれ……抽象画的な世界の書き方、マネしようとしては失敗してきました。

カフカの有名な作品と言えば『変身(へんしん)』ですが、こちらは多和田葉子氏が新たに『変身(かわりみ)』と読ませる新訳を刊行し話題になりましたね(これまで「虫」「毒虫」と訳されていた部分を、「ウンゲツィーファー」と原語をカタカナで表記したのには唸りました。得体の知れないイメージが加わっていて、私はかなり好きです)。そういえば、学生時代にカフカに多大な影響を受けた「黄金の鎖」という短編小説を書いたこともありました。

そのほか、『ことば選び実用時点』『日本語語源辞典』など、軽い辞書みたいな書籍も複数所持しています(広辞苑もありますよ!)。昔から、国語辞典や漢字辞典をはじめ、「ことば」に関わる辞書の類を読み漁るのが趣味でした。少し余談になりますが、「国語便覧」という中学生・高校生向けの「国語」の資料集もとても好きで、それこそ食事中やお風呂のときも手にしていたのを覚えています。しかし、その割に知識・ボキャブラリィともに貧困なのは、よほど脳みそがザルなんだろうなあと思う次第……。

マンガや雑誌もあるよ!

こちらは『サザエさん(著:長谷川町子)』。実は私、『サザエさん』の大ファンで、コミックスを全巻(45巻+α)所有しています。都内の「長谷川町子美術館」にも何度か足を運んでおり、最近のアニメは見ていないのですが(テレビがない)、原作漫画の可愛らしい絵柄と、不快な笑いが一切ない、やわらかなギャグセンスがとっても好きです。

『サザエさん』に関しては、連載当時の世相が垣間見えるのも面白いですね。新聞連載がスタートしたのは戦後まもないころ……。サザエさん一家をとりまく人々の生活、そのワンシーン・ワンシーンをもってして「あ、こんな時代だったんだなあ」という気付きを得ることができます。おすすめです。

マンガでいうと、先述の手塚治虫のほかは『ムーミン・コミックス』や『タンタンの冒険』シリーズなども集めています。

雑誌も、普通のファッション誌からカルチャー系、文芸誌など、広く浅く収集しています。特に多いのは、『Ollie』『KINFOLK』『STUDIO VOICE』『HUGE』あたりです。あと『HONEY』(これについては以前書きましたね)。

前職では紙媒体の編集アシスタントをしていたので、意識的にいろんなジャンルのものを読むようにしていました。たとえば成人向け雑誌とか、あと「UMA」みたいな都市伝説をひたすらのっけた雑誌とか……そんなものでも、誰かが企画を立てて、記事を書いて、デザインしてつくっているのだなあと思うと、とても面白いですよね。

お気に入りの作家について

さて、ひとまず私の本棚をだだだっとお見せしましたが、とくに同じ作家の作品だけを集めたゾーンもあります。それがこちら。

いかがでしょう、こちらは安部公房堀江敏幸ゾーンです。このふたり+大江健三郎の三人が、私のフェイバリット・オーサーズ。少しだけ、語らせてくださいね。

安部公房について

さきほども少し書いたのですが、私は学生時代に安部公房にドハマリしたことがあります。きっかけは氏の代表作・『砂の女』。有名なタイトルなので、ご存知の方も多いかと思います。安部公房作品というと「難解」「話の意味がわからない」という評価もたくさんありますが、実はこの『砂の女』は極上のエンタメ小説としても楽しめる作品なんです。安部公房入門にはバッチリだと思います。

そのほか、「まだ安部公房を読んだことがない」という方に個人的におすすめしたい作品をピックアップしました。長編の『方舟さくら丸』と、短編集の『水中都市・デンドロカカリヤ』です。

『方舟さくら丸』は安部公房後期の作品なのですが、こちらも『砂の女』と同じく非常にエンタメ性(ふと思いましたが、「ストーリー性」と言い換えてもいいかもしれません)がとても強い物語で、あっという間に読めてしまうと思います。外界から閉ざされた核シェルターの中で繰り広げられる、スリリングかつ退廃的なおかしみを含んだ人間模様が面白いです。

もう一冊の『水中都市・デンドロカカリヤ』、こちらはどちらかというと安部公房の「抽象画的」テイストを高めた作品集で、主人公が不思議な植物に姿を変えてしまう「デンドロカカリヤ」など、それこそ先出のカフカにも通ずる奇妙な読書体験を提供してくれます。その語り口は明瞭でやわらかく、かつ冷静なのに、どこかねじれて狂っているような……形容し難い魅力にあふれています。

そのほか、戯曲を読む方には『幽霊はここにいる・どれい狩り』もおすすめ。安部公房は自身の劇団を持っていたので、戯曲作品も多く残しています。クオリティには賛否あるようですが、「どれい狩り」、とても好きです。

堀江敏幸について

もうひとり、私の大好きな作家が堀江敏幸氏です。みなさんはご存知でしょうか?
代表作は『熊の敷石』、『雪沼とその周辺』など。三島由紀夫賞、芥川龍之介賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞といった主要な文学賞を総なめにしており、現在は芥川賞の選考委員も務めている方です。今回の記事で紹介したなかだと、比較的「最近の」作家さんですね。

もともと祖父母が堀江敏幸氏のファンで、すすめられて手にとった『おぱらばん』から一気にハマりました。とにかく物静かでやわらかな、ちょっととぼけているような……でも、鋭さも隠し持った筆致でつむがれる物語たち。やさしいのか、それとも突き放すような感覚か? 「なにもないこと」をも許容するような言葉の使い方は、氏だけのものだと思います。

私のフェイバリットは、短編集『ゼラニウム』と、長編の『河岸忘日抄』です。『ゼラニウム』は、「女性」をテーマに、ちょっとドキっとするような(性的な意味合いはありません)まばゆい瞬間を閉じ込めた連作になっています。本当に素敵な作品ばかりなので、ぜひ読んでほしいです。

それから『河岸忘日抄』。こちらはフランスを舞台に、河岸につないだ船に暮らす主人公の思索の日々と、ささやかな事件を描いた作品です。まず、船で暮らしているという設定からして素敵なわけですが、ゆったりと漂うような言葉が心地よい。こちらも強くおすすめします。

そのほか、氏は数多くのエッセイ作品を発表しているのですが、そちらもハズレがありません。『回送電車』シリーズは一遍一遍が短く、ほっと一息つきたいときに読めますよ。

もっともっと、読まねばだ

と、ここまでザザザっとお話してきたわけですが、最近ゆっくり本を読むということがあまりできていません。「新しい言葉」「新しい表現」をインプットするためにも、もっともっと読まねばですね。実用書の何が面白くないかって、言葉選びや表現が平易なところ。ナレッジなんかより、自分の世界の解像度を上げる方法は別にあるのではと私は思うのです(大前提として、知識は必要ですけれど)。

自分のまわりにあるもの、そのひとつひとつを、語る言葉のもとのもとを……もとめてゆくのだブラックベア! 目が真っ赤になっても気にしないくらい、没頭できる夜があればな、いや、あればなではなくつくらなければな、マコでした。

ちなみに、我が家の本棚の中で一番高価な本はこちらです。『ULTIMATE STAR WARS』……これ、7000円くらいしました。うわお。
※STAR WARS愛についてはこちらの記事に書いています。