Forrest Gumpという映画を知っていますか? | ABYSS 〜 アビス 〜

Forrest Gumpという映画を知っていますか?

映画好きのあなたに読んで欲しい手記です。ぜひ読んで、何か想ってほしいです。
そして、どうしてこの映画が面白くて、とがりちらした僕がこの超大作を好きになったか伝えたいと思います。

さて改めまして。
Forrest Gumpという映画を知っていますか?1994年に公開され、第67回アカデミー賞ではあらゆる部門にノミネートされ、6つの部門で受賞したアメリカ映画です。
とてもロマンチックで有名な台詞、「人生はチョコレートの箱、開けてみるまで分からない」。もしかしたら聞いたことあるかもしれません。

僕はこの映画に他のどの作品より深い思い入れを持っています。この映画が映画史上最も愛される映画の一本であるのにも関わらず、この映画が何を主題にしているか気づいている人が少ないと思うようになったからです。または、、、僕が圧倒的に間違っているか、なのです。

あらすじ

障害を持つ主人公フォレスト

ストーリーはありきたりと言ってしまえばそれまで。
知能にも身体にも障害を持つ中年のフォレストが、子供の頃からの半生を、バス停で隣り合わせた人たちに語りかける形でスタートします。

バカにされ、そして愛され育つ

不幸な生い立ちと思いきや、自分の人生すべてをかけてフォレストを教育し愛する母。
みんなにバカにされ疎まれる幼いフォレストに「座らないの?」と世界で一番かわいい声で語りかけるジェニー。もちろん物語を通して最愛のヒロインです。
走ることだけは誰にも負けない才能だったフォレストは大学の全米代表選手に選ばれ、ケネディ大統領と面会!
ここまで見て、なるほどこれはフォレストのキラキラした半生を描いた感動ストーリーなんだ!と思うわけです。

戦争で仲間を失う

だがしかし!アメリカはベトナム戦争。
フォレストももちろん駆り出され、仲間を亡くし、アメリカと自分の部隊に強い誇りを持つゴリゴリアメリカンのダン中尉が目の前で不幸の奈落に落ちる様を目にします。
悲しいのは、知能が低いフォレストは(こんな表現は良くないんだけどさ!)彼らを見て悲しんでいるのかどうかすら、映画を見ている僕らにはよくわからないこと。
ただ、それが惨烈な世界で彼を救っている可能ようにも見えるわけです。それが僕らへの救いでもあるんだけど。

仲間との約束を果たす

地獄そのものを経験した戦争から帰ると、フォレストはなんと卓球に目覚めます。ピンポンです。
お察しの通りその才能で賞金を得たフォレストは会社を設立します。何故なら死んだ戦友のバッバが夢見ていたからです。
バカなフォレストが(ほんとそんなつもりじゃないんだけど!)親友の想いを遂げたと感動するんですね!
そこに、すべてを失い皮肉たっぷりに退役軍人としてダラダラ生きていたダン中尉が参戦します。
苦労に次ぐ苦労で大会社へと成長し、なんと東京 後楽園にあるLaQuaにも「BUBBA GUMP SHRIMP」というレストランが実在します。行ってみてね!

そして、ダン中尉はこの儲けをなんとフォレストの言葉通りappleに投資し、億万長者になります。そう、僕も愛用のMacBookのメーカーですね。
ダン中尉はこの利益をバッバの遺族や、多分仲間みんなの遺族に寄付し、戦争とはかけ離れた形で人々を救うことになります。

この先は、ジェニーとの涙なしには見られないエピソードがありますが、これはぜひ見て確認してください。もちろん結ばれますよ!
僕は中学校のころ山岡くんの家ではじめて見て、なんて素敵な映画があるのだろうと思った記憶があります。
こうしてフォレストの周りにいる人々はいつでも笑顔で、少しずつ幸せになっていきます。

だいたいForrest Gumpってこんな映画です。
って思われています!

何を描いているのか

それから20年。くらい。2019年の夏に改めて見返してみました。そして1つ気づいたことがあります。
この映画の主題は全然違うところなんじゃないかって。

表面的なところだけ見るとこの映画の主題は「人より劣っていても、愚かでも、まごごろ(愛と言うには重すぎる)があれば人を幸せにできるし、自分も幸せになれる」みたいな感じです。
渋谷で100人にアンケートをした結果です。

アジア人の奥さん?

でも僕はあるシーンでちょっとした違和感を感じたのです。
フォレストとジェニーが幸せに結ばれるシーンで、久々に会うダン中尉が奥さんを連れてきます。
この奥さんがどう見ても中国人っぽいんです。ちょっと偏見的かもしれませんが、確実に意図的なのです。
これを一緒に見ていた友人たちが「なんか奥さん微妙だね」と言うのです。

たぶんその通りなんです。

それはあり得ないこと

ダン中尉はゴリゴリのアメリカンです。ベトナムの戦火で、両脚を失い仲間を己の部隊を壊され、そして戦争の軍配は、、、ちょっとセンシティブなので日本教育の見解に任せます。
つまり、ダン中尉にとってベトナムは悪であり確実に許すことのない呪いの対象なんです。
おそらく、、、アジア全体を許せないと言っても過言ではなかったと思います。
アジア人の僕らが白人を見てアメリカ・ヨーロッパを連想し、黒人を見てアフリカを連想するようなものだと思います。
だからダン中尉がアジア人と居ることに違和感があるんです。

ではなぜダン中尉は中国人と結婚したのか。

それは赦し

これがこの映画が語りたかった、何よりも優しいポイントなんだと思います。
中国人とは言いましたが、おそらくダン中尉の奥さんであるスーザンは架橋で、ベトナム人だったんだと思います。
ダン中尉がにくいはずのベトナム人と結婚したんです。絶対にありえないはずの展開です。

つまり、ダン中尉は全てを赦したんです。不幸を受け入れ、不幸をもたらしたものを受け入れ、赦したんです。
どんなにバカにされても怒らず人々を幸せにするフォレストと触れ合い、赦すことを知ったダン中尉こそが、この映画で一番少ない言葉で多くを語っていたんだと思います。

赦して愛せよ。ってことだと思います。
ひいては、アメリカつまり強者よ、人を愛しなさい。
これがこの映画の全てなんだと思います。
というかそうあれ。

表層的なことに潜ませた想い

北野武は、この映画を説明しすぎと語りました。
これはね、最初に説明した通り、ほとんどの人が感動しているポイント(僕もなんだけど)なんです。
とにかくわかりやすく、人に優しくね!と語っています。
それがキラキラした表情で過去を回想するフォレストが語れば、そりゃ大ヒットしますよ。
最高級のCGと、トム・ハンクスの最高の演技と、ロバート・ゼメキスの監督力があればそりゃもうですよ!
あ、ロバート・ゼメキスってバック・トゥ・ザ・フューチャーの監督さん!愛してるよドク!
つまり北野武は、「表現力が乏しいゆえに多くの説明で補うバカでもわかる映画だ」と思ったのだと思います。

でもその裏で、ほんの一瞬現れるキャラクターで、すごーく近いんだけどもっと深い感情を伝えようとしていたのではないだろうか。
そう僕は思ってやまないのです。

もっと映画を愛せる映画の見方

さて、この考察はどうなんだろうなー。
僕にとってはバカだけど最高に魅力的なフォレストが救ったダン中尉のお話、それがForrest Gumpです。

真意がどうなのかはわからないけど、映画って本当に深く考えられて作られてます。
これを見逃さない観察力と、何よりそれを受け止める感受性をもってこれからも映画を見ていきたい。

映画って本当に美しいよね。